英雄物語

西風の処刑人 シュリ
平和な街を揺るがす不安定な希望。 タラノルの貴族家に生まれ、幼い頃から専門的な教育を受けて育った。訓練生時代から常に1位だったエリート。才能を重視する家風のため、自身の身体の大部分を機械化した。虚勢を張り、自尊心が強いため、「西風の処刑人」というニックネームを自称している。 新たに施行された大規模な治安維持政策に伴い、特殊部隊1班のカリンを後方から支援するパートナーとなる。実質カリン直属の後輩だが、先輩というよりは時代遅れの人物と見なされている。 そんな価値観の違いのせいでよく喧嘩になり、カリンに殺されそうになった経験もあるが、次第にチームワークが生まれていった。

ハルセティ
影のエルフが支配している森であり国の【スクッギヘイム】の王。 影のエルフの中でも中・下級貴族の出身で、本来は王座を継ぐほどの地位ではなかった。 しかし、優れた知能と並外れた武力によって、指揮官という最も高い軍事的地位にまで登り詰めた。 人間をめぐって起きた内部の衝突が、政治的対立にまで発展して情勢が不安定になると、ハルセティはこの事態を傍観していた無能な王を引きずり下ろす革命の先頭に立った。 革命は成功に終わり、大きな功績をあげたハルセティは多くの支持を受けて王位についた。 同族からは生まれながらの出身では不可能な地位にまで登り詰めた偉大な君主であり、森の救世主と称賛されている。 しかし一方では、ハルセティが王位についてから、彼女が何を考えているのか分からなくなったという世論もある。

フェンリス
影のエルフと人間のハーフ。 人間の血を引いているせいで同族から除け者にされ、やがて理由も分からないまま親を亡くした。 その後、母親から学んだ根源の木に関する知識や魔法に興味を持つようになり、たった1人の人間の友人と一緒に様々な冒険を試みるが、以前と同じように突然の襲撃により友人を亡くしてしまった。 長きにわたって罪悪感と虚無感に苛まれ、すべてを諦めて流れに身を任せて生きていたところ、ランをはじめとする新たな仲間たちに出会い、過去のトラウマを克服するための旅に出る。 冒険は思うようにいかず、精神的にも肉体的にも葛藤を経験するが、事件を乗り越え周囲の助けを受けながら、精神的にどんどん成長していくのであった。

フリーダ
「ファルツ家の厄介者」 前当主であった父親の私生児として生まれ、これまでずっと周りの目を気にしながら影のように生きてきた。 そのため、大人びた振る舞いを強いられてきた。 父親がこの世を去った後に起こった相続争いや後継者争いを目にしてきたが、自分とは関係のない話だと思っていた。 しかし、すべてが片づいた後、フリーダは廃業寸前のウォーターパーク【オアシスランド】を任されることになる。 そして、彼女に言い渡された一言…「そろそろ独立してもいい」。 対外的な名目上は財産の相続だったが、フリーダはよく分かっている。 この相続がファルツ家から自分を完全に追い出すための口実に過ぎないのだと。

不死型 ゴクウ
ポリティア開発の新素材で作られた自動人形。 どのような衝撃にも耐えられる身体を持っており、KINKOJIというプログラムを利用しないと破壊できない。 作戦に投入されるにはリスクが大きいという判断の下にしばらく封印されていた。 しかし、ポリティアの1級極秘任務を遂行できる者が必要となったため、適任は一人しかいないという結論から【不死型 ゴクウ】にその任務が任されることになる。 任務に失敗した場合は自動的にKINKOJIが発動して死ぬことになるが、任務完遂の暁には「統制不可能のトラブルメーカー」という評価を取り下げ、KINKOJIも解除するという条件をかけられた。

龍の伴侶 シェナ
龍王に捧げられた「花嫁」という名の生け贄。 幼い頃、津波によって家族を全て亡くし、実の姉のように頼っていた人が生贄に捧げられた後、厄災と苦難で人を蹂躙する神に復讐すべく自ら生贄となる。 だが真相は違うものだった。生贄が龍王の要求ではなく、孤児を処分したかった村人たちの名分に過ぎなかったのだ。 シェナは龍王が実は生贄に捧げられた子供たちを保護し成人になったら陸へ送っていたこと、台風や津波は人間を罰するための神の行いではなく、自然の循環による現象だという事実を知る。 しかし龍王がそうやって育てた子供の一人が如意宝珠を盗み出したせいで、これ以上波風をコントロールできなくなったことを知ったシェナは秩序と平和を取り戻すべく、シャルンから龍の力を分けてもらった後、冒険に出る。

ビルギッタ
スクッギヘイムで一番有名な情報屋。 代々有名な情報屋家門の出身である。 スクッギヘイムの情報は知らないことがなく、最近はエルラシア全域の情報も手に入れつつあるという。 主な取引先は同族であるスクッギヘイムの影のエルフ。しかし種族に関わらず色んな相手と密かに情報の取引や交流を行っている。 だがこのことが同族にバレて仕事を失い排斥されることを恐れ、影のエルフ以外の種族との取引は報酬を高額に設定し隠密に行っている。 座右の銘は「知識は力なり」。 様々な人と情報を交換することでできる限りたくさんの情報を掴み、それを武器にするのが自分の役割であり目的だという信念がある。

バアル&セザン
陰り沼【ソライユ】周辺に隠居していた「偉大なる黒魔道士」セザン・セルジャン。 彼女の執事を自称する「追従者で下僕で弟子」だったバアル・シャンヘル。 リタニア大陸の全ての魔法を制覇したセザンは更に強く神秘的な力を求めた。 その結果、禁じられた魔法にまで手を出した挙げ句、外宇宙の力を引き出す儀式に至ってしまう。 儀式そのものは成功したが、強すぎる力が一気に押し寄せセザンの肉体と精神はバラバラに引き裂かれた。 不幸中の幸いとして、消滅する直前だった彼女の魂をバアルが人形に宿し、魂だけはこの世に残ることができた。 下僕・執事・弟子に過ぎなかったバアルだけを頼り元の体を取り戻すべく旅に出たセザン。 彼女の苦しみとは裏腹に、バアルはこの旅が永遠に続くことを願っている。